原子配列に敏感な電気伝導特性

 現在の半導体デバイスよりもコンパクトで高性能(例えば、低消費電力化など)なナノデバイスの実現を目指した基礎研究が精力的に行われています。このようなナノデバイスに用いる材料として2次元物質(原子1層からなるシート)が注目されており、グラフェンは、その代表格と言えます。グラフェンの電気伝導特性について様々な興味深い理論的予想が行われていますが、実験であまり検証できていません。その原因として、グラフェンの電気伝導特性が原子配列に敏感であることが挙げられます。つまり、実験による検証には、原子配列と電気伝導を同時に測定する技術が求められています。本研究室では、このような測定法を開発し、グラフェンナノリボンの電気伝導特性を明らかにしようとしています。

 左上の図は、電子線リソグラフィーを用いて作製した電極(3か所)の写真です。この電極は、直径 3mmのTEMグリッド上に作製しています。隣にある写真は1つの電極の拡大図です。この電極中央(黄色の四角)にはギャップがあり、右図はそのギャップ付近のTEM像です。このTEM像からわかる通り、ギャップの距離は100nm以下と大変短くなっています。このギャップにグラフェンなどの材料を架橋することで、その構造を観察すると同時に電気伝導特性を測定できます。

 下図は、作製したTEMグリッドを載せてTEM観察することができる「グラフェン電動計測用TEMホルダー」の写真です。

 

 試料の作製方法を工夫したり、新しい装置開発(TEMホルダーなど)をすることによって、これまでに分からなかった物性の解明をすすめています。

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